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東大秋入学 狙いは理工系エリート
 東京大学が欧米の大学で一般的な秋入学(全世界では約7割)への全面移行を、5年後をめどに実現させる方針を表明してから2カ月が経った。(SANKEI EXPRESS)

 この間、波紋は教育界、経済界へと幅広く及び、闊達(かったつ)な論議が続いている。グローバル化への対応等々、その目的もいろいろ指摘されているが、最大の狙いは理工系エリートの獲得にある。東大が先月末、インド南部のIT産業の拠点都市バンガロールに事務所を開設したことからも、その意図は明白だ。

 東大のインド事務所(日本の国公立大では初)の任務はただ一つ。優秀なインド人学生をスカウトし、1人でも多く、留学生として東大に送り込むことにある。近年、大学間の国際的な学生獲得競争は激化する一方で、特に理系先進国のインドは主戦場となり、欧米の有力大学が軒並み入学セミナーを開催している。インドの大学は日本と同じ4月入学だが、米大学へのインド人留学生は10万人(日本へは約500人)を超し、学生は米国志向が強い。東大の事務所スタッフは当座、欧米の大学の入学セミナーに足繁く通い、日本にも関心のある学生を発掘し、勧誘しようというわけだ。

 「ゼロの発見」がインドでなされたことに象徴されるように、インドの理数系の教育レベルは世界でも最高水準にある。日本では「九九」だが、インドの子供たちは20×20まで暗唱させられる。各地にある工科大学に入ることがエリートコースとされ、カルカッタ工科大に落ちた学生が米国のハーバードやMIT(マサチューセッツ工科大)に行くといわれるほど入試も激烈だ。かたや東大は、学生のレベルダウンが指摘されて久しい。相対的な指標である偏差値こそ維持されているが、同一レベルの入試問題での合格最低点が下がり続け、10年ほど前に入試問題を易化させてレベルダウンが顕在化しない措置が講じられた経緯すらある。

 東大インド事務所の吉野宏所長は「優秀なインド人留学生を広範に受け入れることで研究現場を活性化させ、国際的な視野を持つ日本人学生の育成にも役立てたい」と話している。秋入学もインド事務所開設も、最終目標は日本のレベルアップにあるはずだ。座して待つだけでは世界に通用する学生は集まってこない。始まったばかりの東大の挑戦に注目したい。
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